戦後日本の住宅では、石膏ボードや合板などで柱を覆い隠し、その上からクロスや塗装で仕上げるということが多くなりました。大壁工法と呼び、施工のしやすさから現在普及する一般住宅の大半を占めるようになりました。日本の伝統工法『真壁づくり』は、柱が壁から出ています。木は製材された後も呼吸をするため、梅雨時期は湿気を吸い、乾燥する時期は蓄えた湿気を放出するという、天然の調湿装置としての役目を果たしてくれます。また、ひのき材にはヒノキチオールという香り成分が含まれており、抗菌作用の他、リラックス効果もあります。
Sさんも、そんな真壁づくりの家に魅力を感じ、サイエンスホームの家を建てることを決められました。サイエンスホームはメーターモジュールという寸法で家を建てています。日本の在来工法は尺貫法を基にした家のサイズになっており、柱と柱の間隔は910mmです。メーターモジュールだと柱と柱の間隔は1m。(建築図面では1000mmと書かれています。)半間につき9cmの差は、家一棟で見ると大きな差となり、広々とした家が建ちます。LDKは吹抜けで、階段や廊下の手摺は格子になっており、そこにも木が使われています。内装建具もオリジナルの木製建具を使用。木がふんだんに使われた家は、暮らしの中で子供の成長と共に経年変化して、唯一無二の住まいになります。