2021年、仙台の完成見学会にお越しいただいたのが始まりでした。お話しするうち、実はTさんのご実家とは先代からのご縁があることが判明。(※まったくの偶然で、大変驚かれていました。)幼い頃の社長もお邪魔したことがあるというお家は、築100年超の建物。母屋、蔵、作業場などがある敷地の一角にこのたび建った平屋には、お母様がお住まいになります。
度重なる地震によってダメージを受けた母屋で暮らすお母様を心配していたTさん。悩んだ末、新築する決断をされます。古い蔵の解体や母屋の修繕などをすべて取り仕切られ、それも合わせて弊社にお任せいただきました。(のちに解体ででた梁、御影石、水受けは新しい家に受け継がれることになります。)
計画段階では、家相を念頭に間取りを決めていきました。リビングダイニングは勾配天井。南向きのサッシもH2400と大きいため、明るく開放感があります。交差する大きな梁は解体した蔵のもの。熟練の職人が刻み作業を行ないました。無垢の木の香りが心を落ち着かせ、漆喰塗りの壁が調湿した空間では、寛ぎの時間が流れます。御影石はアプローチの敷石に、水受けは外水栓に設置されました。
ご実家は代々住み継いできた歴史的にも価値ある建築物です。しかし、耐震性や断熱性等を考えると、安心安全快適な暮らしができるとは言い難い状況でした。
たとえご先祖様が建てた家に住むことは出来なくなっても、解体で出た建材を新居に使うことは、限りある資源を大事に、先人の想いを大事に、家を“住み継いでいく”ことになるのだと、今回携わることでその素晴らしさに触れることができました。
お引渡し当日。神棚と仏壇のお引越しの儀式も無事執り行われたと、午後にお電話いただきました。ずっとご家族を見守ってきたご神仏、きっと新居の住みごこちを気に入り、これからも家を守ってくださることでしょう。
(すべてのご要望に対応できるとは限りません。まずはご相談ください)